■トリドーシャとは
トリドーシャ - 三つのエネルギー
アーユルヴェーダでは目に見えない三つのエネルギーが体の中をかけめぐっていると考えます。
アーユルヴェーダはエネルギーという言葉の代わりにドーシャという言葉を使います。
そして、三つのドーシャをまとめてトリドーシャと呼んでいます。
それぞれのドーシャには「ワータ(風)」、「ピッタ(火)」、「カパ(水)」という名前がつけられています。
アーユルヴェーダではドーシャのバランスに着目して体質を判断します。
トリドーシャのバランス
トリドーシャのバランスがとれている時が最も理想的な健康状態で、ドーシャがアンバランスになると体や心の病気が起こると考えます。
トリドーシャのバランスがとれている人というのは非常に少なく、たいていの人は複数のドーシャの混合型と判断されます。また、三つのドーシャのうち、ひとつだけが優勢ということもありません。
どのドーシャが強いかによって、体の外観やかかりやすい病気、ものの考え方や感じ方の傾向が決まってきます。
体の外観を例にあげてみましょう。
ワータ体質の人はやせ型、ピッタ体質の人は普通、カパ体質の人はがっちりして、大型である等です。
病気はその人個人の体質や遺伝的要素、魂や気持ちの持ち方も関係があると考えます。
ですから、同じ食事、同じ生活をしていても人によっていろいろな病気が生じるのです。
アーユルヴェーダドクターはその人個人の体全体から病気をとらえ、その人自身に最も適した治療を行います。
アーユルヴェーダの目的 - ドーシャのバランス
アーユルヴェーダの目的のひとつはドーシャのバランスを判断し、勢いが強すぎるものを減少させ、バランスがとれた状態にするということです。そうすれば、その人の健康度が高くなります。
ワータ(風)について
ワータは大腸、小腸から始まるエネルギーです。
神経を管理し、体の流れを起こします。老廃物の排出とも関係があります。
ワータが優勢だと、循環器疾患、血管疾患、神経疾患、大腸・小腸の疾患、胃の疾患などをひきおこします。
ピッタ(火)について
ピッタは肝臓、脾臓、胆のう、胃、十二指腸、すい臓から始まるエネルギーです。
体内の熱の発生と保持、消化、代謝、および肝臓とホルモンバランスをコントロールします。
ピッタが優勢だと消化力の低下、消化器官の疾患、じんましん、皮膚疾患、若はげ、汗かきなどの症状をひきおこします。
カパ(水)について
カパは副鼻腔、鼻腔、のど、気管支、肺から始まるエネルギーです。
体液と血液に関係があり、体力と体の組織を支えています。関節の潤滑油となり、免疫システムを維持しています。
カパが優勢だと肥満、鼻炎、ぜんそく、関節炎、心臓疾患、肺疾患、糖尿病などをひきおこします。
ドーシャに影響を与えるもの - 一日、一年、年齢
アーユルヴェーダの体質判断の方法のひとつに患者が20項目ほどの質問に答えるというものがあります。
ただし、トリドーシャのバランスは一日、一年、年齢のそれぞれに応じて、一定のサイクルを持っています。
アーユルヴェーダドクターはドーシャバランスが一定のサイクルを持って動くということも考え合わせて、
体質を判断しています。
【ドーシャの一日の変動】
6時~10時/18時~22時 : カパが増えやすい
10時~14時/22時~ 2時 : ピッタが増えやすい
14時~18時/ 2時~ 6時 : ワータが増えやすい
【ドーシャの一年の変動】
春 : カパが増えやすい
夏 : ピッタが増えやすい
秋 : ワータが増えやすい
【ドーシャの年齢の変動】
若年期 : カパが増えやすい
成壮年期 : ピッタが増えやすい
老年期 : ワータが増えやすい