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■アーユルヴェーダが行われてきた二つの場

古来よりスリランカでアーユルベーダが実践されてきた場には大きく分けてふたつあります。
一つ目はお寺で、二つ目は一般家庭です。

寺院

 

「世の中から病気や苦しみをなくす」という仏教の考え方にアーユルベーダのルーツを見出すことができます。

スリランカの仏教寺院では「病気という苦しみ」をなくすため、僧侶により積極的にアーユルベーダが実践されてきました。

スリランカの遺跡にもその名残(ハーバルバスや看板)が残っています。

ちなみに、僧侶が行うので、アーユルベーダトリートメントは無料で、僧侶は喜捨を受け取るという形でした。

僧侶はアーユルベーダドクターでもあり、アーユルベーダの治療を直接行うばかりでなく、家庭内での治療方法を教え、

指導していきました。

ただし、現代のスリランカでは仏教とアーユルベーダは全く切り離されており、アーユルベーダの治療技術のみが発展し、

研究されています。

 

家庭療法としてのアーユルベーダ

 

ふたつめは家庭内療法としてのアーユルベーダです。

スリランカの台所では現在でも食材やスパイスから家庭薬をつくりだしています。

日本でも風邪をひいたりすると生姜をつかった飲み物を飲んだりしますね。

それと同様の智慧の智慧の数々が、スリランカではもっとシステマティックにまとめられ、実践されているのです。
 

アーユルベーダドクター

 

いつ頃かははっきりしないのですが、やがて職業としてのアーユルベーダドクターが生まれました。

アーユルベーダでは植物を主に利用します。

ハーバルオイルやハーブの処方の方法はその効果ゆえに、門外不出・秘伝とされ、

後継者のみ(多くは子や孫から一人選ばれる)に伝えられています。
 

アーユルベーダはスリランカの知的財産

現在、スリランカには政府機関であるアーユルベーダ省があり、アーユルベーダ大臣がいます。
スリランカのアーユルベーダはアーユルベーダ省が管理し、国の知的財産として保護しています。

国立の研究所もありますし、アーユルベーダの教育機関である国立大学もあります。

国レベルでアーユルベーダを保護し、管理する一方で、今なお、アーユルベーダドクターの家系には先祖伝来のハーブの処方があり、

その方法は秘密にされています。

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